注)画像・動画にはシンボルマーク施行(2005年4月1日)以前撮影された映像が含まれます
◎伊那道院設立
長野県で初めて少林寺拳法の道場が誕生したのは、1969年(昭和44年)、小池靖彦が設立した伊那道院・支部が第一号である。柔道出身の小池は大学で少林寺拳法に出逢い、その後、銀座道院でも修業したのち、郷里の伊那市で道場を開いた。当初は材木店の倉庫を借り、わずか6人のスタートではあったが、小池の「長野県に少林寺拳法の明かりを灯もしたい」との熱い志により門下生を増やし、県内の拠点に次々と道場を設立していった。
◎県都長野市へ
小池は伊那道院設立の後、1975年(昭和50年)に県都長野市に長野中部道院を設立した。当時は少林寺拳法の知名度も無く、現在の少林寺拳法を取り巻く状況と比べると、地域に認められるまでの働き掛けは、想像し難い苦労であった。また当時は伊那市~長野市間に高速道路が無く、片道4時間半を掛けて指導に通うなど、開祖の「長野県を頼むぞ」の一言が小池の少林寺拳法に対する情熱を駆り立てていた。
◎道院設立の活発化
この頃から、県外支部や大学支部等で修業した拳士が帰郷し、道場設立の動きが活発化した。長野中部道院設立の5ヶ月後、1975年(昭和50年)に、豊島道院出身の大須賀庸子(旧姓、細川)が日本初の女性道院長となり上田道院を設立、1976年(昭和51年)には宮本繁が長野更埴道院、1977年(昭和52年)村澤紀夫が須坂中部道院(廃止)、1980年(昭和55年)北原実が諏訪至誠館道院(休院)を相次いで設立している。また大学支部にあっては、1971年(昭和46年)信州大学、1973年(昭和48年)松本歯科大学(廃止)、がそれぞれ少林寺拳法部として活動が開始された。
◎長野県少林寺拳法連絡協議会の発足
長野県少林寺拳法連絡協議会は、伊那・長野中部・上田・長野更埴・信州大学・松本歯科大学の6支部で1976年(昭和51年)頃に組織化された。当時は関東武専や各種行事が関東連合会に集中していたため、対外的な連絡窓口として設置された。また、県内にあっては支部相互の連絡を密にすることで、普及活動の活性化を図るねらいもあり、組織拡大のためにより多くの同志を募ろうと、全拳士の気迫がみなぎっていた。そしてこの時に、少林寺拳法の良き理解者である下条進一郎(参議院議員)を会長に迎え、強力な支援者になっていただいた。
◎長野県少林寺拳法連盟の発足
長野県少林寺拳法連絡協議会を5年経過したところで、連盟への移行の機運が高まり、1981年(昭和56年)4月に(社)日本少林寺拳法連盟(当時)所属の支部により、長野県少林寺拳法連盟が正式に発足した。
◎関東連合会
当時、昇格考試や関東武専は新宿体育館で行われていたため、長野県内の拳士は東京まで通うこととなる。車利用の拳士は相乗りで、午前2時頃出発し約6時間掛けて会場へ向かった。電車利用の拳士は黒の道服で、上野で乗り継ぎ新宿へ向かうが、行き帰りの途中、上野駅構内の公衆浴場で疲れを癒したのが良い思い出である。また、東京が大雪に見舞われた時は交通機関がマヒし、武専会場にたどり着いたのが午後3時、武専終了後長野へ戻ったのが午前1時ということもあった。このとおり月1回の東京への武専通いは決して容易なことではなかった。給料の半分近くを少林寺拳法に費やしていた拳士も少なくはなく、7年続いた東京通いは一言では言い表せないが、「少林寺拳法は、人間教育である」との使命感と情熱だけが支えとなっていた。
◎体育協会加盟と武専の設置
各支部で市町村体育協会加盟の動きが始まるが、後進武道である少林寺拳法は各体育協会の体質に馴染めないとして、加盟に消極的な支部もあった。しかし長野県レベルでは1987年(昭和62年)に長野県少林寺拳法連盟として(財)長野県体育協会(当時)に加盟した。そして組織としての基盤作りを着々と進め、武専誘致に乗り出し、二年間の準備期間を経て1991年(平成3年)4月に武専別科長野地区を開設した。県内各道院・支部、又山梨県少林寺拳法連盟からの参加も有り、開設時には約100名の入校希望者が有り関係者を驚かせた。
◎県内全域への発展とブロックの設置
北信、東信、中信、南信の4つに分かれる長野県の地区において、1箇所ずつ支部が設立されていたが、徐々に数が増え長野県全域に発展したため、各地区をブロックとしブロック長をおいた。長野県少林寺拳法連盟の基盤を造ったのは、連絡協議会発足時から理事長職にあった小池靖彦(現顧問)であり、補佐役は宮本茂(現相談役)が副理事長を務め、事務の円滑化と財政健全化のため事務局と財務局を設け、佐々木祥二(現会長)が兼務した。
◎歴代会長
初代 会長 下条進一郎
二代目会長 吉田 博美
三代目会長 佐々木祥二
◎歴代理事長
初代 理事長 小池 靖彦
二代目理事長 北原 実
三代目理事長 小池 靖彦
四代目理事長 佐治木光夫
五代目理事長 宮本 繁
六代目理事長 鷹野 鉄也
※伊那道院50周年記念動画